がんセンター隣接地への企業誘致
町内で操業するある企業が、海外移転も視野に入れて新たな工場用地を探しているという情報が入りました。
既存企業が町外に出ていかれては大問題。上司に連れられ、早速、企業を訪問し、面積、スケジュールなど条件を伺いました。企業側も、従業員のことを考えると町内に留まりたいとの考えでしたが、トップの判断が出てから2年以内の操業開始が希望と、大変厳しい条件でした。当町は埋蔵文化財発掘調査が必要な土地柄で、2年は難しいが、なんとしても用地を確保する約束をしました。
市町村は農地を買えません。県企業局に用地買収、造成をお願いするしかありません。幸い、企業の業種は医療関連機器の製造であり、県の医療関連産業の集積を目指すファルマバレー構想とマッチしたものでしたので、県も特別扱いしてくれるはず・・・これが間違いでした。各部門で考えがまちまちで、すべてを個別にクリアーしなければなりませんでした。
候補地には23人の地権者がいましたが、候補地の概要や金額、スケジュール等を企業トップに示し、判断が出るまで企業名を示すことができませんでした。事前説明の場で、地権者は、「どんな企業かもわからず、土地は売れない」・・・ 町を信じて欲しい、何であんな企業に土地を売ったと言われるような企業ではないと説得して回りました。企業から名前を出しても構わないとOKを頂いた後、地権者を夜に朝に訪問し、2か月で売買契約を済ませました。